ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」の原作小説の感想!手のひら返しで手首が痛い

小説「校閲ガール」の感想

「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」のドラマが放送開始されるということで。

原作小説「校閲ガール」を読んでみたので、その感想を書いていこうと思います。

 

「校閲ガール」は、以前妻が寝込んだときに、気軽に読める小説が読みたいというので。

これはどうかな、と思って買ってきてあげたところ。

「しんどい時でもサクサク読めて、凄い良かった」と、逆に勧められた本なんですが。

読んでる最中に、こんなに感想が正反対になったことって、なかなかないかも。

そう思う本でしたね。

 

では、さっそく感想を書いていこうと思います。

ネタバレ要素もあるので、ご注意を。

 

スポンサーリンク

小説版「校閲ガール」の感想

最初すごい苦手だった

正直いいますと、私は最初「校閲ガール」のこと苦手だったんです。

だいぶオブラートにつつんで、「苦手」となるぐらいに^^

 

主人公の悦子は、気が強くて、口も悪く。

仕事に不満があって、まわりの人間も馬鹿にしている。

なので、ルールや上下関係なんかを飛び越えて、思ったことをグサグサ言っていく。

でも、そんな性格をだからこそ、まわりの人間が常識とかにがんじがらめになって、何もできなかった問題も、あっさりと解決していける。

 

悦子に対してそんな風に感じていたので、日々の不満がたまっている女性に向けた小説なのかなと思っていました。

また、まわりの人間は、学歴が高かったり、社会的な評価が高かったりするけど。

悦子から見たら、ダサくてズレたことばっかりやっていて。

悦子の方が、物事の本質が見えて、そういう人間たちができないことをできる。

悦子に自分を投影しながら、そういった逆転を楽しむ痛快小説なのかなとも。

 

そんな感じの第1章を男性が読んで、面白いと思えるわけもないわけで^^

まわりの人間には、女性もいて、彼女らに対しても馬鹿にしている感じはありましたが。

かなり愚鈍に描写されている男性陣に比べるとね。

本郷は妻のことを思っているといっているのは口だけだし。

貝塚はじめ編集者たちのしている努力は、意味がない、馬鹿らしいことだし。

なかなか受けづらいところがあります。

 

描写の凄さに気づいて掌を返してしまった

なので、「うーん、これは最後まで読めるかなー?」と思っていました。

そして、このままだと多分ブログで感想を書くこともないだろうし。

だったら、風呂でも入りながら気楽に読むことにするかーということにしたんです。

 

でも、読みすすめていると、徐々に読みやすく感じてきて、違和感を感じました。

これっておかしな話なんです。

作者は同じで、同じように書いているはずなんですから。

途中から、最初感じたようなトゲトゲとしたものを感じなくなっていき。

読みやすくなるなんて。

 

気づいてしまったら原因が気になってしまい、お風呂の中で真剣に考え込んだんですが^^

これって、悦子の言動なんかを通して舞台を見てるから、悦子が変わってきたら見えてくるものも変わってくるのかなと思ったんです。

ただ、それって描写力がすごく上手じゃないとできないはず。

でも、もしそうなら凄いなと思い、急遽お風呂からでて。

終わりに近かったのに、もう1度最初から読んでみることに。

 

そうしたら、最初の評価は、完全に私の目が曇ってただけでしたね^^

悦子の経歴のように、淡々とすすめなければならないようなところは、事実をほぼ箇条書きのような感じで書いているだけ。

なのに、すっと入ってくるようにしている。

また、背景などを別に細かく書いているわけでもないのに、なぜか頭の中に映像が明確に浮かんでる。

キャラの個性に気をとられて、描写力の高さに目がいってなかったわけです。

 

この瞬間から、苦手な小説から、凄い小説に掌を返すことになりました。

急激な返しのせいで、手首を痛めるレベルで^^

でも、詳細に書かずに、かつ意識させずに頭の中に映像を思いえがかせるって相当ですからね。

 

ちなみに、これは予測でしかないんですが。

私のようにファッションに疎い人間じゃなく、ファッションに興味のある女性とかなら。

「校閲ガール」読んでいると、服装とか、もっと細かいところまでイメージでき。

そして、頭の中に浮かんでくる映像が、より華やかなものになるんじゃないかなと思うんですよね。

 

欲張りすぎないのが素晴らしい

そんなわけで「校閲ガール」は、宮木あや子さんの描写力によって、背景とかを詳細に書かないですんでいるんですが。

これって、凄く大事なことだと思うんですよね。

特に、こういった楽しませるエンタテインメント性の高い小説だと。

詳細に書くと、どうしても冗長になるというか。

頭のストーリー展開が遅くなりがちますし。

また、こっちは細かいところはすっとばしてでも、ストーリーをさくさくと読みたいのに!とか。

そういう風に思わないですむんですから。

 

また、「校閲ガール」では、ネタについても、不要なものを削っている感じがします。

本郷先生の奥さんを探しに行くときの「鰻」のように。

ふとでてきた謎解きも、小説の特性にあった程度に抑えていますから。

これが本格ミステリーででてきたら、多分怒りますが^^

「校閲ガール」は、悦子の成長などがメインの小説であって。

謎解きなんかは、そのための添え物にすぎませんからね。

これぐらいでちょうどいいですし。

これ以上やると、せっかく描写によってスピードアップしたのに。

またスピードを遅くするハメになりますからね。

 

ただ、描写にしろ、謎解きにしろ、抑えるのって難しいと思うんですよね。

技術的なことではなく、心情的に。

もし、私が同じような書く能力あったら、絶対もっと書いてしまう。

その方が、より伝わると錯覚してしまってるでしょうし。

また、自分の力を見せつけられていると勘違いするでしょうから。

どれだけ短く、かつ分かりやすいのを書き上げことが、難しいか考えずに。

でも、そんなことをせず、欲張りすぎずにできたのは、本当に凄い。

 

ドラマ向きの内容

話は変わって、初めて読んだときのことなんですが。

この小説を読み終わってから、一番最初にしたのは。

この小説って、何かのドラマのノベライズ的じゃないかと調べたことでした。

 

結局違うかったんですが。

いや、ドラマ化しようとした人は、本当にいい目してます!

めちゃくちゃドラマ向きの話ですよ、「校閲ガール」は。

悦子の校閲や周りの人への変化というベースを維持しつつ。

話は多彩だし。

さくさく進む内容の上。

それぞれキャラも濃くて、映像化に耐えうる登場人物たちで、周りを固めている。

さらに、恋愛要素もありますしね。

 

この恋愛要素を膨らませてやれば、それだけで1クールドラマになるんじゃないかと。

ちょくちょく悦子と折原を出合わせたりしつつ。

本郷夫妻関連の最後の2章の前あたり。

あの辺で、本格的に悦子と折原の恋愛系の話をもう少し膨らます。

これだけ、かなりいけると思うんですよね。

 

終わりに

というわけで、ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」の原作小説「校閲ガール」の感想を書いてきました。

最初は、本当最後まで読めるかなと思ってしまいましたが。

結局、読み直して以降は、楽しんで最後まで読むことができましたね。

自分でも、ここまでの掌返しはどうかと思いますが^^

 

ちなみに、「校閲ガール」は、最終的に男性も楽しめると思います。

当初感じていたような女性向けという風な印象は、読むにつれて薄まっていきますし。

それに、決して女性向けの痛快小説という感じではありません。

仕事について理想と現実のギャップに悩む社会人が主人公の、エンターテイメント性の高い小説といった感じですからね。

 

でもまあ、それでもやっぱりより楽しめるのは女性でしょうなのは間違いありませんが^^

悦子の言っていることに、より共感できるでしょうし。

見える景色が、より近いでしょうからね。

 

ただ、ドラマの方は、男性が楽しめる度合いも、女性のそれに近づくんじゃないかなとは思っています。

悦子役が石原さとみさんなので、どこか柔らかい感じがすることになると思いますし。

そうなったら、随分印象が変わると思いますからね。

なので、ドラマがいったいどういう出来になるのか楽しみですね。

以上、ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール」の原作小説の感想!手のひら返しで手首が痛い、でした。

※ドラマを見逃した方は、Huluの見逃し配信からどうぞ

Huluオリジナルのスピンオフドラマもやっています。

ただ、記事作成時と異なり、掲載が終了している可能性もありますので、ご注意を。

Hulu

 

※「校閲ガール・ア・ラ・モード(既刊)」「校閲ガールトルネード(2016/10/27発売)」他、宮木あや子さんの書籍はこちら。

宮木あや子作品一覧