「ちょっと今から仕事やめてくる」原作小説の感想(ネタバレ注意)ヤマモトの優しさが連鎖する

「ちょっと今から仕事やめてくる」原作小説の感想

今回は、北川恵海さんの小説「ちょっと今から仕事やめてくる」を読んだので。

その感想を書いていこうと思います。

 

「ちょっと今から仕事やめてくる」は、本屋で並んでいるのを見ていたのですが。

確か別のシリーズものの本を一気に買っていたため、後日買おうとしていた本なんですよね。

そしたら、案の定買い忘れてしまって。

映画化するというのを見て、慌てて購入したんです。

タイトルからは、コメディ寄りの作品かと思っていたんですけど。

完全に思い違いだったので、最初の10ページから驚かされましたねー。

 

では、そんな小説「ちょっと今から仕事やめてくる」の感想を始めていきます。

ネタバレ要素があるので、ご注意を。

 

小説「ちょっと今から仕事やめてくる」の感想

中盤までの隆の状況がハードモード

「ちょっと今から仕事やめてくる」の主人公、青山隆は中小企業に勤める新卒のサラリーマンです。

大学時代は、かなり生意気だったようで。

小説「何者」の主人公に近い感じのする。

頭でっかちの口だけタイプという感じがしましたね。

ただ、隆は「何者」のように、就職するまでにガツンとした挫折もせずに。

そのまま就職していますけど。

 

でも、その就職先は、完全なブラック。

最初こそ努力でなんとかしていった隆ですけど。

徐々に疲弊していき、心が摩耗して、生意気だったのが嘘のような状態になってしまいます。

駅のホームに落ちるのを、危険だと思うのではなく。

休むことができると考えるレベルで。

 

ここだけでも、隆の状況はとてつもなく大変なんですけど。

ホームに落ちるのを、旧友と名乗るヤマモトに助けられ。

ヤマモトとの交流で心が一瞬浮かび上がってきた。

そんなところに、これまで以上にきっつい仕打ちがまっているんですよ。

上げて落とすとか。

中盤までの隆の状況がハードモードすぎですね。

 

ヤマモトは幽霊?

隆を救ってくれたヤマモトですが。

あっさりと旧友ではないことがわかります。

読んでいる分には、わかりやすかったですが。

それでも、最後の最後に明かされるのかなとか思っていたのに。

拍子抜けするぐらいにあっさりと。

 

でも、そこからヤマモトが何者なのかが、問題に。

調べればいくと、どうみてもヤマモトは幽霊っぽい。

でも、会っているときの感じからして、幽霊には見えないんですよね。

これが隆を悩ませていくんです。

 

私はミステリーが好きなんですが。

ミステリーには、こういう場合、まずこれを疑えというのがありまして。

それのおかげで、こうかな?という目星をつけることができました。

でも、そういうのがない限り、思いつかなかったかなと思うんですよね。

 

また、シリアスが続くストーリーの中に、こういった要素があるのはいいなと思いましたね。

コメディとはちょっと違った、息抜き要素があると。

飽きずに最後まで読んでいけるので。

 

ヤマモトの優しさが連鎖していく

ヤマモトの助けに言われた言葉によって目が覚めた隆は。

どん底から這い上がることができ、そしてタイトル通り会社を辞めていきます。

 

でも、ここで終わりではありません。

てっきり辞めておしまいとばかり思っていましたけど。

辞めてからの不安な状況にもあいますし。

なにより、自分と同じ目をした若者に対して。

ヤマモトがしてくれたように救ってあげようとしていくんですから。

 

ヤマモトの行動の発端は、過去の後悔に由来するので。

ヤマモトの行動が優しさに基づくものだというと、ヤマモトは否定しそうですけど。

でも、後悔から、隆のような人間をそのままにできないと。

行動に移したのには、やっぱり優しさが伴っていると思うんです。

 

そして、その優しさは隆に受け継がれ、隆は若者に対して行動し。

その後、若者も、隆から受けた優しさを、形を変えつつ。

また別の人に渡していくんじゃないかなーって思わせてくれるんです。

この優しさの連鎖が想像できるのは素晴らしいですね。

 

北川恵海さんの今後に期待

ここからは、ストーリーではなく文章などの感想に。

基本的に、小説「ちょっと今から仕事やめてくる」の文章は、淡々としているんです。

そのため、非常に読みやすいんです。

 

ただ、そういった文章って、往々にして飽きやすくもあるんですよね。

でも、小説「ちょっと今から仕事やめてくる」は、ところどころにハッとさせられるものがありまして。

名言集にあるような、簡単な表現だけど、真実をついているような表現ですね。

そのおかげで、飽きることなく、一気に最後まで読むことができました。

 

北川恵海さんは、こういったことが上手な作家なのかもしれませんね。

上にも書いた、ヤマモトの正体あてという、ちょっと毛色の違う要素を組み込んだのも。

淡々としつつ、でも飽きさせないようなバランスをとるのに役立ってくれてますし。

もしそうなら、今後がかなり期待できる作家さんです。

 

まぁでも、最初の1ページで、ブラックに勤めていて、そのせいで心が摩耗している感じを。

簡単な言葉んで淡々と、描き切った描写力だけでも、相当期待できますけど。

1ページ目から「うわぁ・・・」って、ガツンとやられたのって久々かも。

このときから、すでにくぎ付けになってましたもんね。

 

終わりに

というわけで、小説「ちょっと今から仕事やめてくる」の感想を書いてきました。

中盤まで辛い描写が続く小説でしたけど。

最後はハッピーエンドよりの終わり方になるので。

いろんな人に読んでほしい小説だと思っています。

仕事に疲れてたりする人とかも含めて。

例外は、ブラック企業にトラウマを持っている人ぐらいですかね。

でも、終わり方的に、そういった人でも大丈夫なんじゃないかなとも思っていますけど。

しかし、これを映画化ですか。

隆の疲れ方って相当なものなので、俳優さんとかが演じきれるのか、気になるところですね。

まぁ、公開をまって、見てみるしかないですね。

以上、「ちょっと今から仕事やめてくる」原作小説の感想(ネタバレ注意)ヤマモトの優しさが連鎖する、でした。

 

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